建設工事が終了した一戸建て住宅は完了検査を通過すると使用可能な状態、つまり建物の引き渡しが可能な状態になりますが、引き渡す前に必ず実施されるものがあります。それが内覧会です。内覧会は竣工検査や施主検査などと呼ばれることがありますが、これは施主や不動産業者の担当者、工事の現場責任者らが参加して、完成したての一戸建ての建物をひと通り見て回る重要なイベントです。完了検査では専門家の目線で工事終了後の一戸建てが法令で定められている基準に沿って建てられているかを確認しますが、内覧会では消費者の目線で一戸建てが設計図や契約書などの書面の通りに建てられているかや、不具合や欠陥が無いかどうかなどを確認する機会となります。
完成した住宅には入居後数年あるいは数十年と住み続けることになるため、ただ建物を見て回るのではなく、建物の問題の有無をしっかりと確認していかなければなりません。内覧会において注意すべき点はたくさんあります。例えば、補修に要する期間を考慮して、建物の竣工から内覧会を経て建物の引き渡しを行うまでの期間を1週間から2週間程度は確保しておくよう話し合っておくことや、扉や窓、照明、キッチンなど、稼動させられるものはひと通り動かしてみること、軋んだり歪んだりしている部分やキズがついている部分があったら指摘すること、建物について疑問点がある場合は一緒に立ち会っている担当者らに聞くことなどが挙げられます。また、お金に余裕がある人は、一戸建ての設計や工事に関わっていない建築士に内覧会の同行を依頼するのも良い方法です。